一生ものの輝きを。ダイヤモンドの評価を詳しく解説
婚約指輪や結婚指輪には、やはりダイヤモンドが一番人気。ですが、一口にダイヤモンドと言っても、市場で売られているものの価格はさまざまですよね。ダイヤモンドの価値は、一体どうやって決められているのでしょうか。ここでは、ダイヤモンドの評価に関する知識や美しい輝きを保つ方法について紹介していきます。
ダイヤモンドの評価方法は4Cで決まる
ダイヤモンドには、価値を決めるための国際基準というものが制定されています。国際基準の評価項目は4つあり、その全ての項目がCから始まる単語であるため「4C」と呼ばれています。まずは、4Cの各項目についてチェックしていきましょう。
Carat(カラット)
カラットという単語は、聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。宝石の大きさを表す単位と思われがちなカラットですが、実は大きさではなく、重さの単位なのです。1カラットは0.2グラムで、直径は約6.5ミリ。0.1カラットは直径約3ミリで、0.1カラット増すごとに直径は約0.6~0.8ミリずつ大きくなっていきます。また、婚約指輪では2~0.5カラットのダイヤモンドが人気となっています。
宝石の価値を決めるうえで最も重要視されるポイントであるカラットには、実はカットの質も多きく関係するのをご存知でしたか。同じ質量のダイヤモンドでも、カットの仕方が違うと大きさも異なるのです。ダイヤモンドを大きく見せたい場合は、カラットとカットが決め手になると言っても過言ではないでしょう。
Clarity(クラリティ)
クラリティとは、ダイヤモンドの透明度を表す項目です。自然から生成される鉱石は、多くの場合さまざまな内包物(インクルージョン)を含んでいたり、キズ(ブレミッシュ)がついていたりします。もちろん、ダイヤモンドも同様。産出された時点で内包物が含まれていることがほとんどなのです。
クラリティの評価は全部で11段階。拡大鏡で10倍にしたときの見え方を判定し、不純物やキズが少なければ少ないほど評価が高くなっていきます。11段階の評価は最も透明度の高いフローレス(FL)をはじめ、インターナリーフローレス(IF)、ベリーベリースライトリーインクルーデッド(VVS1、VVS2)、ベリースライトリーインクルーデッド(VS1、VS2)、スライトリーインクルーデッド(SI1、SI2)、インクルーデッド(I1、I2、I3)といった6つのカテゴリーで区切られています。
Color(カラー)
カラーはその名の通り、ダイヤモンドの色に関する評価項目です。ダイヤモンドと聞いて多くの方が想像するのは、きっと無色透明のものでしょう。ですが、天然のダイヤモンドは黄色味を帯びているものが多く、完全無色のダイヤモンドというのは極めて希少なのです。
4Cのカラーの項目では、完全無色である最高ランクのDから、黄色が肉眼でも認められるZまでの23段階評価が付けられます。ランクDとZのダイヤモンドを並べるとその差は歴然ですが、D~Jまでのダイヤモンドは、肉眼ではほとんど違いが分からないくらいのもの。とても小刻みで、繊細な段階評価なのです。また、黄味のあるものは評価が下がると前述しましたが、濃く鮮やかな色のものはカラーダイヤに分類されることもあります。
Cut(カット)
ダイヤモンドの輝きは、カットで決まるといっても過言ではありません。長方形のエメラルドカットや女性に人気のハートシェイプブリリアントカットなど、さまざまなカットが存在しますが、4Cで認められているカット方法はラウンドブリリアントカットのみ。このラウンドブリリアントカットは20世紀の初めに生み出されて以来、ダイヤモンドの輝きを最も引き出すカットとも呼ばれています。
カットの項目では、総合評価であるプロポーション、表面の研磨仕上げを見るポリッシュ、対称性のシンメトリーという3つのポイントを評価します。それぞれエクセレントを最高評価とし、3つ全てが最高位であるトリプルエクセレントは究極のカットとされています。4Cの中でも、唯一人の手に左右される項目とも言えますね。
その他の評価ポイント
GIAの定める4Cによってダイヤモンドの評価が決まるといっても過言ではないでしょう。しかし場合によっては4C以外の要素もダイヤモンドの評価に影響することがあります。ここからは、4Cの中には含まれないダイヤの価値に関わる要素をご紹介します。
鑑定書(グレーディングレポート)と保証書
ダイヤモンドを購入するときには、品質を保証する鑑定書(ダイヤモンドグレーディングレポート)が必ず貰えます。鑑定書(グレーディングレポート)を出している機関にはいくつか種類がありますが、国際評価基準を定めたGIAのものや、国内最大手の中央宝石研究所(CGL)のものがメジャーと言えるでしょう。鑑定書(グレーディングレポート)には、先ほど紹介した4Cについての評価が記載されています。
また、鑑定書(グレーディングレポート)とは別に保証書というものがあります。これは、お店がダイヤモンドを販売したという証明の意味を持っています。保証書はお店が独自に発行するものなので、記載内容は多岐にわたります。
蛍光性
ほとんどのダイヤモンドは、含有している成分が紫外線と反応することで蛍光するのを知っていましたか。鑑定書(グレーディングレポート)には4Cとは別に蛍光性という項目があり、光の強さと色が記載されているのです。
蛍光の強さは無しからとても強いまでの5段階。蛍光色は青、青みがかった白、グリーン、黄緑、イエロー、オレンジ、ピンクの7種類に分けられます。蛍光性は4Cの項目外のため、ほとんどの場合ダイヤモンドの品質には影響がありません。
ファンシーカラーダイヤモンド
カラーダイヤという、色のあるダイヤモンドをご存知の方も多いのではないでしょうか。4Cのカラーの項目に当てはまらない鮮やかな色を持つものは、ファンシーカラーダイヤモンドに分類されます。
ファンシーカラーダイヤモンドはイエローやブラウン、ピンク、ブルーなど色の種類もさまざま。無色透明のダイヤモンドとは違った魅力を持っています。色味が濃く鮮やかで、純度が高いほど希少価値も高くなっていきます。
一生ものの価値を損なわないために
ダイヤモンド本来の評価以外にも、少し気を付けるだけで美しい輝きを永く保つことができます。ここでは、ダイヤモンドを購入するときに気を付けることと、購入後のケアについてご紹介します。
鑑定書(グレーディングレポート)や保証書は保存する
ダイヤモンドを購入した際に貰える鑑定書(グレーディングレポート)や保証書は、必ず保管しておきましょう。保証書はメンテナンスやお直しを店舗に頼むときに必要となる場合が多いので、保管場所が思い出せないといった事態は避けたいですね。ジュエリー用のケースなどに一緒に保管しておくと、探す手間も省けてサッと取り出せますよ。
正しい保管とお手入れで美しさを維持
正しく保管し、こまめにお手入れをすることで、ダイヤモンドの美しさをキープしてあげましょう。保管場所は、ジュエリーボックスなどがおすすめです。宝石は紫外線で劣化する可能性が高いため、直射日光が当たる場所での保管は必ず避けるようにしてください。
また、お手入れの基本は糸くずの出ない柔らかい布で拭き取ること。ダイヤモンドは油を引き付ける性質を持っているため、水に食器用洗剤を数滴垂らしたもので洗浄するのも効果的ですよ。研磨剤や塩素系漂白剤は、劣化を招く恐れがあるので使用しないようにしましょう。
お店選びは慎重に
ダイヤモンドを購入する際は、お店選びも重要視するべきポイントとも言えます。ショップによって取り扱っているダイヤモンドの質や種類も異なるので、分からないことや気になったことはしっかりとスタッフに伝えるようにしましょう。希望のものが見つかるまで、ダイヤモンドを実際の目で見てじっくり検討してくださいね。
ダイヤモンドの輝きは、いつの世も愛される
4Cの評価はあくまで価値を決めるためのもの。例えどんな評価のダイヤモンドであっても、一生ものの輝きを購入するときの想いは永遠に忘れられないものとなるでしょう。些細なことでもお店のスタッフに質問をして、無理のない予算で後悔のないようダイヤモンドを選んでくださいね。