結婚指輪や婚約指輪のサイズ直しについての基礎知識
結婚当初はフィットしていた指輪も、気づけばゆるくなっていたり、きつくなっていたりして、サイズが合わなくなることも。まずは、指輪のサイズ直しが必要な時や直し方の種類など、基礎知識について確認していきましょう。
指輪のサイズ直しが必要となる時
指輪のサイズ直しが必要になる場面は様々です。例えば、サプライズで貰った婚約指輪が、着けてみたら大きかった、もしくは、小さくて入らなかった時、女性だと妊娠や出産による体型の変化などがあります。そんな時は、指輪のサイズ直しをしてフィット感を取り戻しましょう。自分の婚約指輪をサイズ直しして、子どもに受け継いでもらうのも良いですね。
サイズを大きくする場合の直し方
指輪のサイズを大きくするには、素材を足す、叩き伸ばす、内側を削るなどの方法があります。下記では、それぞれを詳しく紹介します。
<素材を足す方法>
プラチナやゴールドなど、溶接ができる素材に適した方法です。指輪を切り開き素材を足してサイズを大きくします。宝石が付いたデザインは、取り外したり、断熱したりしながら行うため問題ありません。
<叩き伸ばす方法>
溶接が難しいチタンやジルコニウムなどの素材に使われる方法です。地金の一部や全体を叩き伸ばし、指輪のサイズを大きくします。デザインが変わる、刻印が潰れるといった可能性もあるため、あらかじめ確認しましょう。
<内側を削る方法>
内側全体や一部を削る方法のため、内側に刻印があるものは消える可能性があります。サイズ直しをする前に、もう一度刻印ができるのかをチェックすることが大切です。
サイズを小さくする場合の直し方
指輪のサイズを小さくするには、素材の一部を切り取る、パーツをつける、圧縮するなどの方法があります。ここでは、それぞれを詳しく紹介します。
<部分的切除の方法>
指輪の一部を切除しサイズを小さくするため、場所によってはデザインが変わる、刻印がなくなる可能性も。あらかじめ切除する部分にデザインが入っているかなどを確認しておきましょう。
<パーツをつける方法>
切断や溶接ができない素材の内側に、パーツを付け足して小さくする方法。指輪に厚みがでたり、刻印が消えたりすることもあります。
<全体的に圧縮する方法>
切り離しや溶接ができない時や、内側の刻印を残したい場合に行われる方法です。全体のボリュームが同じで、外側に細工がされていないデザインに向いています。
結婚指輪のサイズ直しができる場所と期間・相場
結婚指輪のサイズ直しをしたいけれど、どこに持っていけば良いのか分からない、という人もいるでしょう。また、修理にかかる時間や費用も気になるところ。ここからは、場所や期間、相場など、サイズ直しの基本情報を紹介します。
①結婚指輪を購入したジュエリーショップ
指輪のサイズを直すには、その指輪について詳しく知っている必要があります。そのため、まずは購入したショップに依頼するのがおすすめです。ショップによっては、アフターフォローとしてサイズ直しが無料の場合もあります。回数や期間が決まっていることもあるので事前に確認しましょう。
②指輪の修理専門店
修理専門店なら、幅広い素材やデザインに対応できる技術を持つ職人がいます。そのため、他ではサイズ直しが困難と言われた指輪を修理して貰える可能性も。ただし、アフターフォローではなく有料となります。指輪の構造によっては困難な可能性もあるため、あらかじめ確認するようにしましょう。
【サイズ直しの期間】サイズ直しには大体2~3週間かかる
指輪の修理にかかる期間は、依頼したショップや修理専門店、修理の方法、難易度などによって異なります。断定はできませんが、一般的には2~3週間ほどかかるため、身に着ける予定がある場合は、早めに修理を依頼すると良いでしょう。また、ショップの繁忙期や休暇時期に依頼すると、さらに時間がかかることもあります。
【サイズ直しの相場】サイズを大きくするか小さくするかで変わる
指輪のサイズを小さくするか、大きくするかでは、デザインによって金額が異なります。サイズを小さくする場合は、3,000円~が一般的です。
サイズを大きくする場合は、直し方や使う素材によっても金額が変わります。素材を足して直す場合、変更するサイズやデザインによって使う素材の量が変わるため、一概に相場を出すのは難しいです。修理前に見積もりを出してもらうと安心でしょう。
結婚指輪のサイズ直しをする時の注意点
購入したブランドによっては、無料でサイズ直しを受け付けているところもあります。しかし、すべての指輪が直せるわけではありません。使われている素材やデザイン、状態によっては、直すのが難しい場合も。ここでは、サイズ直しを依頼する時に注意したい点を確認していきます。
【注意点①】サイズ直しができないデザインもある
繊細で複雑なものや長文が刻印されたもの、全体に宝石が施されたものなどは、サイズ直しの際、バランスを取るのが難しく、デザインが変化することも。特にデザインが崩れやすいミル打ちの指輪は、断られる可能性が高いでしょう。
また、ステンレスやチタン、ピンクゴールドなども硬く加工が難しいため、サイズ直しが難しい素材です。どうしてもサイズを直したい場合は、ジュエリーショップや修理店に相談するのがおすすめです。
【注意点②】変更できるサイズ幅には限界がある
サイズ直しをする場合、指輪を切り離す、研磨するといった工程が必要になるため、変更できるサイズにも限界が。何度もサイズを直していると金属疲労による指輪の破損や、研磨の繰り返しによって素材が薄くなり、強度が弱まる可能性もあります。
素材を付け足すと強度をあげられますが、その分費用がかかりやすいです。素材の耐久性を考えると、何度もサイズ直しをするのは避けるのがおすすめ。
【注意点➂】製法によって難しい場合もある
指輪の製法の1つに、金属を圧縮して密度を高くした鍛造製法があります。鍛造製法の結婚指輪は、丈夫で歪みにくく曲がりにくい、傷が付きにくいという利点を持ち、吸い付くような着け心地と滑らかさが魅力です。その反面、圧縮によって素材が硬くなりサイズ直しが困難な時も。その場合は、指輪の交換になるかもしれないため、購入前にサイズ直しについて確認しておくと良いでしょう。
サイズ直し後も美しく身に着けるためのお手入れ方法・注意点
サイズ直しをして、着け心地の良くなった結婚指輪。できるならきれいな状態を保って身に着けたいですね。ここからは、指輪を美しい状態で保つためのお手入れ方法や注意点を紹介します。
セルフクリーニングをする
結婚指輪の汚れが気になった時や季節の変わり目、結婚記念日などの特別な日には、ジュエリークロスを使ったお手入れで輝きを取り戻してあげましょう。クロスで落ちない汚れは、中性洗剤を使って洗うときれいになります。
ボウルにぬるま湯と中性洗剤を数滴加えて指輪を浸し、気になる汚れをやわらかい歯ブラシでやさしくこすり落としてください。きれいな水かぬるま湯で洗剤を落とし、やわらかい布で水分を拭き取って完了です。パールなど水分に弱い宝石が付いている場合は、水洗いができないので注意。
定期的にクリーニングをする
指輪をきれいに保つには、購入した店舗でクリーニングをしてもらうのがおすすめです。店舗での超音波クリーニングなら15分~30分程度で済みます。デザインの隙間に溜まった汚れを落とし、表面のくすみもとれるでしょう。
工房でクリーニングを依頼すると、一般的には2~3週間ほどかかります。小傷などもケアできるので、新品のような輝きを取り戻せるはず。購入店によっては、無料で何度でもクリーニングができる場合もあります。
変形直しや石留めしも忘れずにする
結婚指輪は毎日身に着けているため、重い荷物を持ち上げるなど、日常の動作で負荷がかかり、変形したり、歪んだりする可能性もあります。また、指輪の宝石を留めている爪の変形や摩耗によって、宝石が外れてしまうことも。店舗にクリーニングを依頼する時は、変形直しや爪留めもチェックしてもらいましょう。
結婚指輪はサイズ直しで快適に身に着けよう
結婚指輪はふたりの思い出が詰まった大切なもの。サイズが合わない時はサイズ直しをし、快適な状態に戻すのが望ましいです。素材やデザインによってはサイズを直すのが難しい場合もありますが、まずは購入したショップや修理専門店に確認するのがおすすめです。大切な結婚指輪を永く愛用するためにも、定期的にメンテナンスを行い、美しく保ちましょう。