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コラム

2020.07.16

浴衣をもっと楽しむために。和装にジュエリーを合わせる際のマナーとは?

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ハードルが高く感じられる和装のなかでも、比較的気軽に楽しめる浴衣。ジュエリーを上手に合わせて、思い思いの着こなしを楽しむ姿を見かけることも少なくありませんよね。本記事では、浴衣にジュエリーを合わせる際のポイントを、和装時のジュエリー着用マナーとあわせて紹介します。

和装時のジュエリー着用のマナーとは?

浴衣を着て傘をさす女性
たまに和装をする場合、ジュエリーの合わせ方に悩んでしまう人もいるでしょう。和装時のジュエリー事情は時代とともに変化しています。まずは、浴衣だけでなく和装時全般について、ジュエリーを身につける際のマナーを確認します。

元来はジュエリーNGな和装

元来、和装にとっては結い上げた髪に挿すかんざしが唯一の装身具であり、それ以外のジュエリーは身に着けないものでした。理由は複数考えられますが、そもそも和装が一般的だった時代に、ピアスやネックレスといったジュエリーを身に着ける習慣がなかったことも影響しています。

近代に入ってからの和装時ジュエリー事情

近代に入り、武士という身分が消失し、廃刀令が出ると、鍔や目貫を作っていた刀装具職人が失業し、代わりに帯留めなどの装身具を作るようになりました。

さらに時代が進み、洋装が入ってきた辺りから状況は変化。着物にブーツや帽子を合わせるなど、洋装用の小物を合わせる装いが見られるようになりました。この頃には、着物に指輪といったジュエリーを合わせることも増えていきます。

今どきの和装時ジュエリー事情

普段着として洋服を身に着ける習慣が広まった現代では、着物は日常着ではなくおしゃれ着という位置づけに。それもあり、TPOが問われる改まった場での礼装時を除き、比較的自由なコーディネートが許されるようになりました。

訪問着に大ぶりの石の留められた指輪、ゴージャスな帯留めといったコーディネートも見かけます。着物を着る場合は手首に何も着けないのが基本ですが、実用性を重視する場面では、細めのバンドの腕時計をすることもあるでしょう。

TPOをわきまえることが大前提ですが、和装時も気品を損なわない程度にジュエリーを楽しんで構わない、というのが現代の着物事情です。

振り袖着用時のジュエリーについて

振り袖は、完成形としての着物。他になんの飾りも必要としないことを前提としており、加えて正装でもあります。したがって、首から上と首から下のバランスをとるための髪飾りを除き、ジュエリーは身に着けないのが原則です。

浴衣とジュエリーの相性は?

浴衣を着た2人の女性のうしろ姿
浴衣は「湯帷子(ゆかたびら)」が起源だったことからもわかるように、本来はさっぱりと着こなすのが基本。しかし現代ではカラフルなデザインが増え、夏のおしゃれ着の1つとして認識されるようになりました。アレンジを楽しみやすいといわれる浴衣とジュエリーの相性について見ていきましょう。

浴衣にジュエリーはOK?

もともとカジュアルな部類の着物である浴衣は、かしこまった席での着物に比べると着こなしが自由。ジュエリーと合わせて着こなしても、非常識と認識されることはまずありません。

とはいえ、ジュエリーを足し過ぎると華美な印象に。装飾が多いジュエリーは浴衣を傷つける可能性もあります。浴衣の品を損なうことのないよう、控えめに取り入れるのが大切です。

浴衣にジュエリーを合わせる魅力とは?

昔ながらの浴衣は紺と白が基調のデザインでしたが、現代はカラフルで個性的なデザインの浴衣も豊富。ルールやマナーに注意が必要な着物の世界ですが、カジュアルな位置づけの浴衣なら、遊び心も許されます。

控えめなジュエリーは浴衣姿に気品を与え、個性的なデザインはオリジナリティが感じられる着こなしに。好みのジュエリーと合わせて、自分らしく浴衣を楽しみましょう。

浴衣にジュエリーを合わせる際のポイント

遠くを眺める浴衣を着た女性
浴衣のさっぱりとした雰囲気は崩さず、ジュエリーによってより魅力を引き立てるために、3つのポイントを押さえましょう。

浴衣ならではの雰囲気を大切に

夏の着物である浴衣は、涼しげにさっぱりと着こなすのがポイント。ジュエリーを合わせる時には、足し過ぎないように気を付けて。ジュエリーの重ね着けでゴテゴテとした感じになるのは避けましょう。

3つの「首」をすっきりと

浴衣は「足首」「手首」「首」の3つを見せることで、全体をすっきりまとめることができます。ジュエリーを着ける時も、この3つの首の部分は避ける方が良いでしょう。ネックレスやブレスレットより、ピアスやイヤリング、指輪などがおすすめです。

クラシカルな浴衣は特にやりすぎ注意

浴衣のデザインによってはジュエリーを合わせるのが難しい場合もあります。

モダンなカラーリング、ポップなデザインといった現代的な浴衣は、ジュエリーと合わせやすくアレンジしやすいでしょう。一方、クラシカルで古典的なデザインの浴衣は、ジュエリーなどのアレンジは控えめにするのがおすすめ。髪飾りで今っぽさをひとさじ加えるくらいがベターです。

浴衣におすすめのジュエリー例

浴衣で夜店をまわる女性
浴衣にジュエリーを合わせる時は、足し算よりも引き算を意識すると◎。抜くところを抜いて涼しげにまとめることを前提に組み合わせを決めましょう。浴衣に合わせやすいジュエリーを紹介するので、参考にしてください。

髪飾り

着物のときのヘアスタイルは、まとめ髪が基本です。これは、首周りがすっきりとしていると着こなしがきれいに見えるから。そしてまとめ髪には、うしろ姿を美しく魅せる髪飾りが良く似合います。最近は浴衣の色柄に合わせてアレンジを効かせて楽しむ人が多いようです。

例えば、レトロな浴衣にはドライフラワーをあしらった髪飾りを合わせると上品な印象に。華やかな柄の浴衣にはシンプルなかんざしを合わせて粋な雰囲気になりますよ。少しボリュームが欲しい時には、つまみ細工の髪飾りを合わせるのも素敵です。カジュアルに着こなすなら洋装でも使われるマジェステを活用しても良いかもしれません。

浴衣と髪飾りはバランスが大事。大ぶりで豪華な髪飾りは振り袖用の髪飾りとして使われることが多いので、浴衣にはシンプルにさっぱりと身に着けられるものを選びましょう。他のジュエリーと合わせる場合は、まず髪飾りを決めてから、他のジュエリーのボリュームを決めていくのがおすすめです。

指輪

指輪は浴衣に合わせやすいジュエリー。手首、足首、首に影響しにくく、浴衣の雰囲気を損なうことなくコーディネートを楽しむことができます。

ボリュームのある指輪やゴージャスな指輪は、浴衣と合わせるとちぐはぐな印象になることも。全体の雰囲気を崩さない華奢なデザインを選ぶのがおすすめです。繊細なデザインであれば、重ね着けをしても手元にボリュームが出すぎることがありません。

ちなみに、結婚指輪は例外的にジュエリーとみなされない場合が多いので、あまり気にする必要はないでしょう。

イヤリングやピアス

まとめ髪をすると耳が見えるので、耳元を飾るイヤリングやピアスを身に着けるのはおすすめです。上質な素材にこだわってシンプルなものを選べば、品よく大人な印象に。和風のデザインや、ガラス素材など涼しげなもので遊びを入れても素敵です。

ただし、ボリュームやデザインによっては髪飾りと喧嘩してしまうこともあるので、バランスを見ながら合わせて。存在感のある髪飾りを選ぶならピアスやイヤリングは控えめな印象を選ぶと良いですよ。

ジュエリー合わせで、浴衣の装いがもっと楽しく

浴衣を着て遠くを眺める女性
TPOが問われる礼装の場合、着物にジュエリーを合わせること自体に眉をひそめる人もいるかもしれないという認識は必要です。しかし、カジュアルな浴衣なら自由にジュエリーコーディネートを楽しんで問題ありません。ジュエリーで浴衣姿をもっと自分らしく、魅力的に着こなしてみましょう。

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