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2020.11.11

婚姻届の証人について|愛し合うふたりの結婚を証明してもらうために必要なこと

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婚姻届における証人とは、ふたりに結婚の意思があることを証明するために署名してもらう人のこと。両親や親しい友人、職場の上司などにお願いするケースが多いようです。本記事では、証人の条件や記入の仕方を解説します。お願いする際のマナーについても確認して、快く引き受けてもらいましょう。

婚姻届の証人の条件と影響の範囲

結婚届の上に置かれたペアリング
婚姻届を完成させるには、証人欄に署名してもらうことが必要です。ここでは証人になれる人の条件や、なってもらった人への影響を解説します。

婚姻届の証人の条件

民法の第739条第2項により、「婚姻届は当事者双方および成年の証人2名以上が署名した書面で提出しなければならない」と定められているため、証人は成人(20歳以上)に限られます。

成人である以外の条件はありませんが、ふたりの結婚の意思を証明するための人なので、親族や友人など身近な人にお願いするのが一般的。夫と妻のどちら側から1名ずつ選んでも、どちらかから2名選んでも問題ありません。

※2022年4月1日からは民法の一部を改正する法律により、成人年齢は18歳に引き下げられます。    

婚姻届の証人になることの影響

婚姻届の証人は、社会的または法的な義務や責任を負う心配はありません。未婚の友人や婚姻届についてよく知らない人に頼むときは、お金を借りるときの保証人とは趣旨が違うと説明すると良いです。なんら影響のないものと分かれば、安心して引き受けてもらえるでしょう。

婚姻届の証人の例

笑顔を交わすカップルと両親
記載してもらうとなると、誰に頼むのか悩んでしまうケースもあるようです。ここでは、実際にはどのような人にお願いするのか理由とともに実例を紹介します。  

例①両親

ふたりにとって最も身近な人と言えるのが、それぞれの両親です。友人や上司に比べて頼みやすく、両家の顔合わせの際に署名をもらうとスムーズに準備が進むでしょう。婚姻届は戸籍の移動に関わりますので、筆頭者になっている両家の父親にお願いするケースが多いようです。

例②友人

両親に次いで選ばれやすいのが友人です。「ふたりが付き合うきっかけを作ってくれたから」などの理由で、友人を証人に選ぶケースも多いよう。両親が他界している人が、付き合いが長く家族同然のつながりのある親友にお願いするなどの場合もあります。ちなみに証人2名の組み合わせは自由なので、親と友人それぞれにお願いしても問題ありません。

例③職場の上司

職場の人と結婚する場合、上司を選ぶケースも。ふたりの出会いから結婚までを知る上司に証人になってほしいと考える人も多いようです。親が遠方に住んでいてすぐにサインがもらえないなどの理由から、就職先での親代わりである職場の上司にお願いするときもあります。

例④婚姻届の証人代行サービス

範囲に決まりはありませんが、事情があって身近に証人を頼める人がいないケースも。その場合は、行政書士事務所が行っている有料の証人代行サービスを利用する人もいます。料金体系は各行政書士事務所によって異なるので、事前に確認してから依頼しましょう。  

婚姻届の証人をお願いする際のマナー

カフェにいる2組のカップル
証人になるのを快く引き受けてもらうためには、きちんとマナーを守るのが大切です。失礼のないように、事前にどのようなことに気を付けるべきか確認しましょう。ここでは、婚姻届の証人をお願いする際のマナーを解説します。

ふたりで一緒に証人のお願いに行く

結婚の報告も兼ねて、ふたりで一緒に会いに行くのがマナーです。遠方などの事情がない限りは、ふたりでお願いに行きましょう。証人になる人も、夫婦となるふたりに直接会えると安心して引き受けられます。

その場で婚姻届に記入してもらうなら、事前に電話などで結婚の報告をした上で、本籍の確認や印鑑の準備などが必要と伝えてください。訪問の際には、菓子折りなどお礼の品を持参すると良いです。    

証人の記入欄以外はすべて記入しておく

婚姻届の証人欄以外は、先に記入しておきましょう。証人は氏名などを記入した婚姻届で、ふたりの結婚の意思を確認してから署名します。白紙の婚姻届を預けて、署名をお願いすることがないように気を付けてください。

婚姻は戸籍に関する届け出。夫や妻の欄が空欄のまま証人欄を先に埋めれば、合意のない婚姻や犯罪に巻き込まれるおそれもあります。証人になる人に信用してもらうためにも、婚姻届は事前に記入して持っていきましょう。

夫側の証人から先に署名をもらう

それぞれの親または祖父母に証人をお願いするときは、夫側から署名をもらいに行くのが一般的です。親族以外なら、年齢や役職、関係性などを考慮して立場が上の人に先に署名をお願いしましょう。

また、証人になる人がもう1名の証人が誰か気になっている場合もあるので、誰にお願いしたかを伝えると良いです。無事に婚姻届を提出したら、お礼を兼ねて報告するのも忘れないようにしてください。  

婚姻届証人欄の記入のポイント

婚姻届を記入する手
記入してもらう際は、いくつかのポイントがあります。事前に確認しておくと自分達も証人になる人も戸惑うことが少ないので、しっかりと覚えておきましょう。ここでは、婚姻届の証人欄へ記入する際のポイントを紹介します。

住民票のとおりに記載する

証人欄に記入してもらう住所は、住民票に登録がある住所。番地やマンション名も含め、住民票に記載されているとおりに書く必要があります。「〇〇町1-1」と省略せずに、「〇〇町1番1号」と記入してもらいましょう。マンション名についても住民票には記載されていなかったり、自分が認識している名称とは違うものが登録されていたりする場合もあるので注意してください。    

訂正するときは修正テープを使用しない

間違ったものを記載した場合は、証人本人が修正したいところに二重線を引き訂正印を押します。修正したい文字の上などの余白に正しい文字を記入してください。修正テープや修正液は使用できないので気を付けましょう。また、提出後に不備が見つかるときもあるので、役所の人が訂正できるよう欄外に捨印を押してください。

印鑑はゴム印以外のものを選ぶ

役所に提出する婚姻届には、朱肉を使用した印鑑を使用するのが一般的です。スタンプ式の印鑑など、印面がゴムの印鑑は変形しやすく、同じ印面がたくさん生産されている場合があるので婚姻届には向きません。また、夫婦や兄弟など同じ姓の2名に証人を依頼するときは、それぞれ別々の印鑑で押印してもらいましょう。

証人欄も代筆は認められない

遠方に住んでいるなどの理由があっても代筆は認められません。直接会いに行けない場合は、郵送などでやり取りしてください。記念日など婚姻届の提出日が迫っていて郵送では間に合わないときは、近隣に住む親族や友人に証人をお願いする方が安心でしょう。

外国籍の人はサインが必要

外国籍の人にも証人をお願いできます。その場合、カタカナと欧文の両方のフルネーム(ファミリーネーム・ファーストネーム・ミドルネームすべて)を署名してもらいましょう。住所は住民登録のある住所、本籍は国籍を日本語で記入します。生年月日は西暦。押印は不要で、直筆のサインをしてもらいます。

日本語で氏名や住所を自筆する必要があるので、日本語の記入に慣れている人に頼むと安心です。住所や本籍などは見本となる文字を書いておき、それを見ながら真似して書いてもらうという手もあります。

婚姻届の証人欄について理解して、時間に余裕を持って依頼しよう

スマホをもって見つめ合うカップル
事前に本籍などを確認しておいてもらう必要があるので、早めに婚姻届の証人になってもらうお願いをしておきましょう。その際に記入する項目についても伝えてください。記入してもらう当日も、時間に余裕をもってアポイントを取っておいた方が安心です。訪問前にマナーや記入のポイントを押さえておけば、書き損じなどの不備も少なくスムーズに手続きが進むでしょう。

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