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コラム

2023.03.15

最大60万円!結婚したら貰える助成金。受給条件や注意点をしっかり確認しよう

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結婚助成金とは、国が少子化対策の一環で実施している、新婚世帯を経済的に援助する制度です。平成30年から始まった制度ですが、2022年11月に支給対象が見直され、より多くの人が受け取れるようになりました。本記事では、結婚助成金の概要や申請方法、受給資格や必要な書類、申請する時の注意点などを分かりやすく解説します。

※本記事で記載している情報は2023年3月現在の情報です。自治体によって期間や条件は異なりますので、申請の際は各自治体に確認しましょう

結婚助成金とは?

貯金箱を挟んだカップル
国が新婚世帯を経済的に援助する、結婚助成金制度。支給条件が緩和されたことで、注目を集めています。まずは結婚助成金について、その概要や貰える金額、対象となる支出などを詳しく解説します。

新婚世帯の生活支援補助を目的とした制度

ふたりの新生活を援助してくれる結婚助成金は、正式には「結婚新生活支援事業費補助金」という名称です。平成30年度から始まった制度で、少子化対策の1つとして新婚世帯の生活支援補助を目的としています。経済的な理由で結婚に踏み切れない若者のために、費用の援助を行って、望む年齢で結婚できるよう環境を整備するための政策でもあります。

貰える金額

結婚助成金には「一般コース」と「都道府県主導型市町村連携コース」の2つがあり、コースによって貰える金額が異なります。
コース 貰える金額
一般コース 1世帯あたり30万円
都道府県主導型市町村連携コース 1世帯あたり60万円/夫婦ともに29歳以下

1世帯あたり30万円/上記に該当せず、夫婦ともに39歳以下
婚姻にともない必要になった支出のうち、一定割合を補助してもらえます。一般コースは支出のうち2分の1を、都道府県主導型市町村連携コースは3分の2を補助してもらえます。

支給対象者

結婚助成金の支給対象者には、条件があります。
・令和3年1月1日から令和4年3月31日までに入籍した世帯であること
・婚姻日時点の年齢が夫婦ともに39歳以下であること(ただし都道府県主導型市町村連携コースで60万を希望する人は、夫婦ともに29歳以下)
・夫婦の所得を合わせて400万円未満(世帯収入約540万円未満に相当)であること(ただし奨学金を返還している世帯は、奨学金の年間返済額を世帯所得から控除可)
・過去に同じ補助金を受給していないこと
・申請する年度内に新居への引っ越し・支払いが完了していること
・その他、実施する市区町村が定める要件を満たすこと

対象になる支出

注意してほしいのは、結婚にかかるすべての費用が結婚新生活支援事業の補助対象になるわけではないということです。補助の対象になるのは、新居の住居費や引越し費用に限られます。
新居の住居費とは、新居の購入費や新居の家賃の1ヵ月分、敷金・礼金や共益費の1ヵ月分、仲介手数料です。引越費用は、引越業者や運送業者にかかった費用、荷造りのための費用で、この合計金額が対象になります。コースごとの補助率に応じて、申請した金額の半額が補助される仕組みです。

結婚助成金の申請方法

書類を見ながら話す男女
結婚補助金は、居住している市町村に申請して受理されれば受け取れます。ここでは結婚補助金申請に必要な書類や申請する時期など、申請方法を解説します。

必要な書類

結婚助成金の申請には、さまざまな書類が必要です。自治体によって必要な書類は異なるため、ホームページで確認したり、問い合わせをしたりしておくと確実でしょう。
主な必要書類は以下の通りです。
①補助金交付申請書
②婚姻後の戸籍謄本
③入籍後の住民票
④世帯の所得証明書
⑤新居に関する書類(賃貸借契約書など)
⑥市県民税の滞納がないことを証明する書類
⑦補助金交付請求書 
⑧新居の住居費や引越しの領収書 など
これらの書式は自治体のホームページでダウンロードできることが多いため、あらかじめ準備しておいてください。

申請先

結婚助成金は国の制度ですが、新郎新婦が申請を行うのは居住地がある自治体の窓口です。自治体によって窓口となる課が異なるため、事前に確認したほうがスムーズに手続きできます。

申請時期

自治体によって、結婚助成金の申請期間は異なります。年度いっぱい募集している自治体もあれば、締め切りのある自治体も。また年度ごとの助成金制度なので、婚姻と引っ越しが年度をまたがないように注意してください。どの自治体であれ、対象となる自治体に住んで、新たに婚姻届を提出した夫婦が対象です。

結婚助成金を申請する時の注意点

手をつなぐカップル
結婚助成金は、結婚をした夫婦ならだれでも貰えるわけではなく、補助を受けるには一定の条件を満たす必要があります。ここでは、結婚助成金の申請を行う際に注意しておきたいポイントや注意点を解説します。

すべての市町村で受給できるわけではない

結婚新生活支援事業は、すべての自治体で実施されているわけではありません。2022年10月時点で、全国の市区町村のうち、実施しているのは約36%にあたる634市町村。申請を検討する前に、自分の住む自治体が事業を実施しているかどうかを調べる必要があります。

年齢や所得に制限がある

先述の通り、結婚助成金の受給資格には、年齢制限や所得制限があります。年齢や所得制限についてはこれまでも見直しがなされており、現在夫婦の所得を合わせて400万円未満が条件ですが、これが500万円未満に緩和される見通しです。

支払いが完了している費用が対象である

結婚助成金の事前申請はできません。そのため、婚姻と引っ越しが完了した後、その領収書を添えて申請を行う必要があります。

新居への引っ越しにかかる費用でも一部対象外がある

新居への引っ越し費用は、基本的に補助の対象です。しかし業者に依頼せずレンタカーなどを使って自分で引っ越しをした場合、補助の対象外となるため注意してください。また引っ越しに伴い発生した不用品の処分費用も対象外です。さらに、新居で使用する家具などの購入費用も対象外です。

結婚には何にどれくらいのお金が必要?

瓶に入った小銭
若い世代のカップルのなかには、経済的理由によって結婚を躊躇している人たちも少なくないようです。ここでは、結婚する時に必要となるお金について、何にどれくらいかかるのか紹介します。

住宅にかかる費用

結婚すると、多くのカップルが新しく部屋を借りて新生活をスタートさせます。ふたり暮らしなら、間取りは1DK以上が理想的です。住居費は間取りが増えると、それだけ家賃が上がり、敷金や礼金などの初期費用も増える傾向にあります。
具体的な数字を挙げると、敷金・礼金がそれぞれ家賃の1ヵ月分で、全国的な平均では10~16万円と言われています。これに加えて1ヵ月分の家賃、契約手数料などが最初に必要です。平均家賃から初期費用を積算すると、おおよそ20~30万円程度の準備が必要です。

引っ越しにかかる費用

引っ越しを業者に頼む場合、費用は荷物の量や移動距離、シーズンによって大きく異なります。平均すると近場の単身引っ越しでオフシーズンなら4万円台、距離が遠く繁忙期なら10万円を超えることもあるようです。自分たちでトラックを借りて引っ越しも可能ですので、コストと労力のバランスを鑑みて検討しましょう。

家具家電の購入費用

新居で使用する家具や家電を購入する費用も考えておかなくてはなりません。冷蔵庫や洗濯機などは、ふたり暮らしに対応できるサイズのものが必要です。その他に、電子レンジや炊飯器も買い替える必要があるかもしれません。
また家電だけでなくテーブルや収納家具、寝具などの家具も必要です。状況によっても異なりますが、大型の家具家電をすべて買いそろえる場合は40~50万ほど準備しておきましょう。

結婚式や披露宴にかかる費用

結婚式や披露宴をするのであれば、その費用も必要です。ゼクシィ結婚トレンド調査2022によると、挙式と披露宴の全国的な平均費用は303.8万円。これらのコストを抑えるなら、ふたりだけで挙式を挙げたり、写真だけの結婚式をしたりする方法もあります。

結婚指輪や婚約指輪にかかる費用

もし婚約指輪や結婚指輪を用意する場合には、その費用も積算しておきましょう。ゼクシィ結婚トレンド調査2022によると、婚約指輪は全国的な平均で35.8万円でした。結婚指輪は26.1万円が全国的な平均です。

結婚助成金以外に結婚で貰える可能性があるお金

パソコンを見ながら話す男女
意外と知られていませんが、婚姻に際して受け取れるお金は結婚助成金以外にもあります。授かり婚の場合には、出産に関する補助金を受け取れる可能性も。ここでは知っておけば得するかもしれない、結婚や出産で貰えるお金について紹介します。

結婚祝い金

自治体や職場、加入している健康保険組合、共済などに申請すれば、結婚祝い金を受け取れる場合があります。すべての自治体や職場、団体が行っているわけではなく、もらえる金額や支給条件も各団体によって異なるので、まずは窓口で制度の有無を確認してみましょう。

出産手当金・出産育児一時金

結婚と同時に妊娠もしている場合、出産関係の祝い金や助成金がもらえるかもしれません。勤務先の健康保険に加入していれば、出産手当金が受け取れます。出産手当金とは別に、健康保険に加入している本人やその被扶養者であれば、出産育児一時金が受け取れます。
さらに雇用保険に加入している人が受け取れるのが、育児休業給付金です。それぞれの支給金額は下記のとおりです。
補助金 支給金額
出産手当金 1ヵ月の給与の3分の2を出産の日以前42日から出産翌日以降56日目までの休業期間分受け取れる
出産育児一時金 1児あたり42万円
※令和5年度から50万円に増額予定
育児休業給付金 【育児休業開始から6ヵ月まで】
休業開始時賃金日額×支給日数×67%
【6ヵ月以降】休業開始時賃金日額×支給日数×50%
※給付期間は、原則子が1歳に達するまで。
その他、結婚お祝い金と同じく出産祝い金を準備している自治体や団体もあります。

失業給付金

結婚を機に仕事を退職したら、失業給付金が貰える可能性があります。貰える金額や条件は、退職した職場の給与や雇用保険の加入期間によって異なります。
結婚にともなう転居で退職せざるを得なかった場合は、「やむを得ない理由での退職」と判断されて、支給開始までの待機期間が短くなることもあるようです。ハローワーク窓口で確認してみてください。
また結婚にともない退職して年内に再就職しなかった場合、確定申告をすれば還付金が受け取れるかもしれません。

結婚助成金を上手に活用して新生活に備えよう

お札と指人形
国の少子化対策の施策としてスタートした「結婚新生活支援事業費補助金制度」。申請できる自治体は限られていますが、支給条件が緩和されたことで受け取れるようになる人も増えているはずです。自分の住む地域が対象になっていた場合、上手に補助金を活用してください。抑えられた分のお金で、ふたりの新しい生活の門出をお祝いしてはいかがでしょうか。

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