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コラム

2022.07.15

結婚式の「参列」とは?「列席」との違いと正しい意味や使い分け方を解説

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結婚式にゲストとして行くことを「参列する」と表現しますが、参列と似た言葉として「列席」という言葉もあります。この2つの言葉について、同じような意味があることは分かっていても、正しく理解していない人は意外と多いのではないでしょうか。本記事では参列と列席の正しい言葉の意味と違い、使い分け方について解説します。

参列とは?列席とは?正しい意味を理解しよう

海辺の結婚式場
まずは参列と列席について、その意味を紹介します。正しく言葉の意味を理解しましょう。

参列の正しい意味

辞書によると、参列の正しい意味は「式や行事などに参加し、列席すること。」です。「多くの人といっしょにその席に出ること。おおぜいの人が集まる式などに加わること。」と書かれています。

列席の正しい意味

列席の意味は、「席につらなること。出席すること。」とされています。「席を並べる」という意味や、「席を並べて詩歌を作ったり、盃を交わしたりして、楽しみ語らうこと。」の意味も持ちます。

参列と列席の違いは?

結婚式を見守るゲスト
辞書で調べると参列も列席も、式や行事に出席することを意味する言葉であり、大きな違いはないように見えます。しかし、参列と列席では使い方に違いがあります。ここでは参列と列席の違いを紹介します。

参列とは出席者が使う言葉

参列は、式や行事に出席する側の人が主催者に対して使う言葉です。参列の「参」は謙譲語である「参る」の意味を含んでいます。そのため、立場から鑑みると参列がふさわしいです。招いてくれた主催者に対して、ぜひ参列させていただきます、などと使います。

列席とは主催者が使う言葉

列席とは式や行事の主催者側が来てくれたゲストに対して使う言葉。列席には、席に並んで座るという意味があります。主催者側が来てくれた人に対して、ご列席のみなさまなどと使うのが一般的です。

結婚式での参列と列席の使い分け方

テーブルの上の花とマイク
参列と列席は立場によって使い分けられます。ただし結婚式ではさまざまな理由から、さらに他の方法での使い分けが必要な場面もあります。ここでは結婚式特有の参列と列席の言葉の使い分け方を解説します。

ゲストは参列、主催者は列席が基本

結婚式においても、基本はゲスト側は参列、主催者である新郎新婦側は列席の言葉を使います。例えば新郎新婦からゲストへ向けての挨拶では、「本日はお忙しい中、ご列席いただきありがとうございます」などと言います。招待状にも「ぜひご列席ください」のように記載することが多いです。これに対してゲスト側は、喜んで参列させていただきますと言うのが正解です。

役割によっても使い分けが必要

参列と列席は、結婚式における役割によっても使い分ける必要があります。ゲストであっても場合によっては、列席を使う場面もあるのです。
例えば結婚式で受付を任されたり、司会をお願いされた場合には新郎新婦側の立場に当たります。そのため、他のゲストに対して「ご列席ありがとうございます」と伝える立場になります。主賓として招かれ、乾杯の挨拶を任された場合は、ゲスト側の立場です。「ご参列のみなさまのご多幸とご発展を祈念いたしまして、乾杯」のように使います。

言葉の持つイメージで使い分けても

言葉の持つ本来の意味の他に、言葉にはそれぞれイメージがあります。参列は、葬儀で使われることの多い言葉です。そのため「参列」=葬儀、「列席」=結婚式というイメージを持つ人も少なくないようです。参列を使うと違和感を感じる場合には、ゲストの立場であっても、「列席」を使うこともあります。
参列や列席と似た言葉で、「出席」を使っても問題ありません。正しい言葉としてはへりくだった「参列」が正しいのですが、言葉のイメージが気になるなら、その場の雰囲気や相手に応じて列席や出席を使ってみてはいかがでしょうか。

列席以外にもある、参列に似た言葉の意味と使い分け方

開いてある辞書
参列と似ている言葉には、列席以外にも「出席」や「臨席」もあります。ここでは、出席と臨席の意味についても確認しておきましょう。

出席

出席の意味は、「会合や学校の授業などに出ること。」です。参列や列席に似ている意味を持っています。ただし出席は、結婚式や葬儀などのフォーマルな場に限らず広く使われ、状況を選ばず使われる言葉です。結婚式において司会などかしこまった立場でなければ、出席を参列の代わりに使っても間違いではありません。

臨席

臨席の意味は、「その席に臨むこと。会や式典などに出席すること。」です。「りんせき」と読みます。臨席も列席と同義語です。違いは、臨席は身分の高い人が出席するという意味を持つ点です。もともとは天皇陛下や皇族などに使われていた言葉です。
新郎新婦など、主催者側が目上のゲストに対する敬意をこめて臨席を使うこともあります。ただし臨席は天皇陛下に使うものというイメージを持つ人もいるので、やはり列席が無難でしょう。

結婚式ならではの言葉や使ってはいけない言葉と言い換え方

ゲストに祝福される新郎新婦
結婚式には、結婚式ならではの意味を持つ言葉があります。また結婚式はフォーマルなお祝いの場なので、言葉のマナーや話題選びにも気を付けたいもの。最後に結婚式ならではの言葉や言葉の使い方、使ってはいけない言葉の言い換え方について紹介します。

「おひらき」は結婚式ならではの言い回し

披露宴が終わることを「おひらき」といいます。これは終わるという言葉が結婚式では忌み言葉であり、マナー違反だからです。漢字で書くと お開きではなく 「お披楽喜」 「お飛楽喜」「お披良喜」などと表現されます。おめでたい言葉を当て字で連ねている言葉です。

忌み言葉や重ね言葉は避けるのがマナー

結婚式では避けるべき言葉がいくつかあります。代表的なのは、忌み言葉、別れを連想させる言葉、重ね言葉など。忌み言葉とは、別れを連想させる「別れる」「離れる」などの言葉のことです。短い、冷める、切る、途絶える、落ちる、負ける、縮まる、去る、流れる、消える、終わるなどは忌み言葉であり、結婚生活の終わりを連想させるので使ってはいけません。
重ね言葉とは、しばしば、ますますなど繰り返す言葉のことです。結婚式における重ね言葉は、再婚をイメージさせるため避けるべきと考えられています。スピーチなどで使いたい時は、同じ意味を持つ別の言い回しに換えて対処するようにしましょう。ただし、ますますなどはポジティブなニュアンスであれば使っても良いとする考え方もあるようです。
その他、聞いている人が不快に感じたり、暗い気持ちになったりするネガティブな言葉も避けたいですね。嫌い、苦しい、などが当たります。結婚式で避けるべき言葉には普段何気なく使っている言葉も多いので、注意しましょう。

使ってはいけない言葉の言い換え方

忌み言葉や重ね言葉の中には、普段良く使う言葉も含まれているため、言い換え方を知っておくと安心です。
言い換え前の言葉 言い換え後の言葉
最後に 結びに
泣く 涙する
去年 昨年
新たなスタートを切る スタートラインに立つ
職場を離れる 家庭に入る
最後になりますが お祝いの言葉といたします
再会 久しぶりに会う
何度も 頻繁に
まだまだ まだ
いろいろ 多彩な
たびたび よく
十分に注意しているつもりでも、うっかり誤った言葉を使ってしまったら、すぐにおわびすることを忘れないでくださいね。

参列の正しい言葉の意味と使い方を知っておこう

新婦の腰を抱く新郎
参列の言葉の意味は、式や行事などに参加すること。招かれたゲスト側が使う言葉です。葬儀を連想させる言葉でもあるため、場面によっては別の言葉を用いても問題ありません。参列を始め、列席や出席、臨席など似た意味の言葉を正しく理解し、結婚式でふさわしい言葉を使ってくださいね。

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