入籍の日取りでよくいわれる「吉日」は何で判断するの?
日頃はさほど気にしていなくても、入籍という人生の一大イベントとなるとやはりなんとなく気になってしまうのが縁起の良し悪しですよね。いわゆる吉日はどう判断するのか解説します。
吉日の判断基準は六曜がメジャー
吉日の判断基準としてもっとも広く浸透し、参考とされることが多いのはなんといっても六曜(または六輝)です。日にちの脇に「大安」「先負」などの小さな文字をカレンダーや手帳で見たことのある人は多いのではないでしょうか。
六曜以外の暦注も
暦に記された吉凶の情報を暦注(れきちゅう)と呼び、前述の六曜はその代表格ですが、その他の暦注が考慮されることもあります。
特に、暦の一番下の段に記載されることが一般的だったため暦注下段と称される各種情報は、六曜に比べマイナーではあるものの参考とされる場合が少なくありません。
天文学ベースの二十八宿や特定の日の吉凶を含む暦注下段は運勢占い的な性質が強く、迷信であるとして古くから度重なり禁止令が出されてきたにもかかわらず、今日まで根強い支持を受け続けているといえます。
暦以外の解釈方法
人智の及ばない部分を何かに託したい気持ちがあるからこそ、お日柄というものが気にされると言えます。暦以外にも四柱推命や占星術など当人たちが信頼する解釈方法であれば何であれ日取りの判断基準となるでしょう。
入籍日におすすめとされる日はいつ?
入籍日に向いていると世間一般で考えられている日にはどのような日があるでしょうか。ここでは、大安や友引など入籍日におすすめの日を紹介します。
「大安」の日
六曜の6種類の中でも入籍日の日取りに断トツで人気なのが、何をするにもよい最上吉の日とされる「大安」の日です。
大安は「大いに安し」という意味で、六曜の中で最も運勢が良いとされる日。そのため結婚式や入籍、結納などのおめでたいことにぴったりです。
「友引」
大安の次に良いとされているのが、友引です。友引は、昼11時~13時以外の時間帯が吉と言われています。
友を引くと書くことから、慶事では友へ幸せのお裾分けを意味するため、結婚式にも人気の日です。
「天赦日」
天赦日は、「天が万物の罪を赦(ゆる)す」とされる日本の暦上で最上吉の日。新しい何かをスタートさせるのにぴったりの日で、年に5~6回しかない貴重な吉日です。
「一粒万倍日」
一粒万倍日は、大安に並ぶとても縁起のよい吉日です。一粒の籾(もみ)が万倍にも実り、素晴らしい稲穂になることを表しています。大きく発展させたいことを始めるのに適した日です。一粒万倍日は月に4~7回あるため、大安や天赦日など他の吉日とも重なることが多い日です。他の吉日と重なると効果が倍増するとも言われています。
「母倉日」
母倉日(ぼそうにち)は、天が母のように何事にも恵みをもたらすと言われている吉日です。天からの寛大な温もりを感じられる日でもあり、特に結婚式や入籍など婚姻にまつわることには大吉とされています。
「大明日」
大明日(だいみょうにち)は、「天と地が明るく照らされる日」という意味を持ちます。あらゆることがうまくいく吉日とされ、年間約150日ほどあります。他の縁起の良い日と合わせてチェックしてみましょう。
「天恩日」
人生の節目となる行動に適した日とされる天恩日には、「天から恩恵を受ける」という意味があります。そのため結婚式や結納、入籍などおめでたいことにぴったりです。大明日と同じく、日数が多い吉日です。
「神吉日」
神吉日は、神様の御神徳を受けやすい日とされています。神吉日は年間に回数が多い吉日ですが、他の吉日の効果に神様の御利益を付加してくれると言われています。神吉日と他の吉日が合わさった日を入籍日に選べば、末永く神様に見守ってもらえる婚姻生活になるでしょう。
入籍日に向いていないといわれる日はいつ?
次に入籍日にはふさわしくないと一般的に言われる日にはどのような日があるのか、確認しておきましょう。
「仏滅」の日
六曜が「仏滅」の日は終日大凶、六曜中で最凶の日とされ、特にお祝い事にはふさわしくないとして避ける傾向が。
とはいえ、そもそも六曜自体を気にしないというカップルが近年では増えてきているため、当人たちが気にならないのであれば特に問題とはならないでしょう。
「不成就日」など
暦注下段の「不成就日」は何を始めても成就しない凶日といわれ、末永く幸せに続けていきたい結婚生活の始まりとなる入籍日には向かないとされています。
また、季節の変わり目に当たる「土用」を気にする人もいます。
もともとは土を動かすようなこと(基礎工事、井戸掘りなど)を避けるべき期間とされていましたが、やがて何かを新しく始める日にもふさわしくないと考えられるようになったためです。
「寅の日」
寅の日は金運にまつわる行動をする日に向いている日です。この日に財布を買うと、出ていったお金が戻ってくると言われています。
しかし、出て行った嫁が戻ってくるという意味もあるため、婚礼には不向きと考えられている日です。寅の日は12日ごとに巡ってくる吉日で、1年で約30回あります。年配の世代は、寅の日の入籍を気にする人も多いため注意しましょう。
暦とは関係なく入籍日として人気の日取りは?
最近は縁起を気にしないカップルも少なくありません。縁起に囚われないとすれば、どんな日が入籍日として選ばれる傾向があるのか紹介します。
ふたりの記念日
交際をスタートした日、プロポーズをした(された)日など、ふたりにとっての何らかの記念日を入籍日にするケースがあります。
入籍日と記念日を一致させておけば記憶に残りやすく、ふたりの記念日としてまとめてお祝いできるということもメリットでしょう。
忘れにくい日
11月11日、12月12日といったようなゾロ目の日付や、「いい夫婦の日(11月22日)のような語呂合わせとなる日などといった覚えやすく忘れにくい日を入籍日にするカップルも多いようです。
また、祝日を入籍日とすることで、忘れにくいというだけでなく、将来的にも休みを取れてお祝いしやすいという一石二鳥の効果を狙うケースも。
誕生日やクリスマスなど
ふたりのどちらかの誕生日やクリスマスなど、もともと何かしら特別な日を入籍日とする例も見られます。
忘れにくいですし、イベントが立て続くのを負担に感じるカップルにとっては複数のお祝いをまとめてできる点もメリット。
ただし、むしろ一つ一つを盛大にお祝いしたいと思っている人の場合は寂しく感じてしまうでしょう。事前にふたりの価値観や考え方をしっかりとすり合わせておくことが必要です。
入籍日当日の過ごし方
入籍日を決めたら、当日何をして過ごすかを考えましょう。ここでは、ディナーや入籍の報告など入籍日当日の過ごし方を紹介します。せっかくの入籍記念日ですので、思い出に残る一日を過ごしてくださいね。
一緒に婚姻届を提出して写真を撮る
まずはふたりで婚姻届を提出しに行きましょう。婚姻届の提出は記念すべき瞬間ですので、ぜひ写真におさめたいもの。婚姻届をふたりで持って、一緒に写真を撮るのが定番です。役所の人が写真を撮ってくれたり、写真用のポップが用意されていたりすることもあります。
入籍と同時にできる手続きを済ませる
入籍によって姓が変わる人は、さまざまな変更手続きが必要です。入籍のタイミングで住民票を取得すれば、運転免許証などの記載事項を変更する際に使えます。転居を伴う場合には、一緒に手続きを行うと効率的です。
家族や友人に入籍の報告
無事に入籍を済ませたら、互いの両親へ報告と感謝の気持ちを伝えましょう。電話でも構いませんが、会いに行くのもおすすめ。両親以外の日頃お世話になっている人にも、しっかり報告してくださいね。
ふたりでディナーに出かける
入籍日は、恋人から夫婦になって初めての記念日。せっかくの大事な日ですから、いつもより豪華なディナーに出かけてみてはいかがでしょうか。思い出のレストランやホテルでのディナーなど特別感のある場所がおすすめです。
入籍の日取りの決め方は人それぞれ
実際のところ、入籍日を決めるに当たってどの程度までお日柄というものに配慮すべきなのでしょうか。結論をいえば、その問いに対する答えは存在しません。
入籍日の日取りに限らず、日常のさまざまな場面で縁起が意識されたり、逆にまったく意識されなかったりしています。
たとえば、風水の吉方向に基づいて旅行先を決める人もいますし、宝くじは大安の日に買いに行く人もいます。一方で縁起を一切気にしないという人もいて、それは単に考え方の違いで、本当に人それぞれと言えるでしょう。
【参考】意見が割れた場合の対処法
本人たちは気にしていなくてもその親たちが気にしているというケースはよくあります。極論すれば当のふたりが納得なら構わないのですが、できることなら全員がハッピーとなるようにしたいところですよね。
こうした場合「誰の気持ちを優先するか」という視点で考えると、どのような結論を出しても後味の悪いことになる可能性が。
「八方丸く収まるように折り合いをつける」という考え方で調整するとスムーズに運ぶかもしれませんよ!
また、日付に強いこだわりがあるなら、その気持ちを誠意をもって丁寧に説明するようにしましょう。「娘・息子は心を尽くしてくれた」と感じたご両親が最終的に納得するということも少なくないようです。
親が望むのは子供の幸せ。それがお日柄にこだわるという形で表れるか、ふたりの気持ちを尊重するという形で表れるかの違いに過ぎないといえるでしょう。
入籍日の日取りは納得のいくように決めよう
こだわり出すときりがないのが入籍日の縁起。何を軸にして考えればよいのかわからず混乱してしまうこともあるでしょう。
そんなときに思い出してほしいのは、あらゆる基準で「縁起がよい日」と判断される日はまずないと言えるということです。事実「大安だけど不成就日」「占星術での吉日が風水では凶」といったようなことは多々あります。
不安を感じるなら不安が収まる程度に、窮屈に感じるなら窮屈に感じない程度に、夫婦になるふたりやふたりにとって大切な人たちが心を乱さずにいられることを前提にした入籍日の決め方ができれば理想的ではないでしょうか。